石工職人

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石工職人 千原 猛 

三代を支えた栃山石材の支柱

「おじいちゃんはな、14歳から職人一筋65年やってきた。」
「石のことに関してだけは、だれもおじいちゃんのまねはできんよ。」

栃山石材には、初代から現在まで三世代に渡り、パートナーとして共に歩んできた職人が居る。
それが石工職人65年の大ベテラン千原猛さん。この人無しに私たちの歴史は語れません。

石工職人といっても広く、千原さんはいまや日本中探しても数少ない、天然石を扱う石積みの特殊技術を持つ職人。古くは織田信長の時代からお城の城壁や神社仏閣の石垣に、卓越した美意識をもって磨かれた技術の継承者です。その技術は言って伝わるほど簡単ではありません。

出会いは昭和30年代、栃山石材店の初代杤山種市は当時、
山や川から石を割りだす仕事を行っていた。その石を石垣などにするため石積みの仕事を千原さんにお願いしたのが始まりでした。それから三世代ずっと二人三脚で時代を共に歩み、
いまではその技術の継承を進めています。

 

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「石にはな、八方面(はっぽうづら)といって八方全部の面に顔がある。」
「その顔はな、石を手から地に落として自然に落ち着いた面が一番うつくしい。
そのうつくしい面を積み上げたものが理想なんだ。」

千原さんはこの石の顔を、石材の山を見て瞬時に判別する事ができる。
どの石をどこに置くか、本人も不思議というほど一目にわかる。
その自然を読み解き、積まれた神社の塀はもともとその場所に在るかのように、
確かにうつくしい。

 

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「おじいちゃんは、かたくなな人間です。」
「第一に健康です。健康でなければ職人はつとまりません。」

ながい職人歴の中で岡山から兵庫を中心に膨大な範囲の工事を一身に請け負ってきた。
計算すると一日80トン、2万平米のブロックを大型トラック7百台分をひとりで作業した仕事もある。
65年を支えたのは、気力と体力。特に健康管理は徹底していた。
タバコはもちろん、塩気のあるもの、砂糖、醤油やマヨネーズといった調味料もとらない。
野菜を食べて、ご飯は一日一合五勺までと決まっている。
ただしお酒はいっぺんに一升飲める。今でも毎晩30分の体操はかかさない。
そんなかたくなさを貫いてきた千原さんを支えてきた奥様に、
いまでは苦労をかけたくないと炊事や洗い物の一切をやっている。
そこもかたくなに譲らないのだそうです。笑

 

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